勉強を始めたけれど全く理解できない分野がある。。。
このままでは次の試験でも0点かもしれない。
簿記3級試験や、各分野で低い点数を取ってしまうと、そんなことを考えてしまうのではないでしょうか。
ですが、心配はありません。簿記は挫折者がとても多い資格なのです。
重要なのは諦めないこと、そして正しい戦略を身につけることです。
この記事では、簿記3級で0点に近い結果を出してしまった人や、勉強を始めたけれど全く理解できずに悩んでいる人のために、具体的な再起の道筋をお伝えします。
簿記3級の設問で0点を取ってしまう理由
「簿記3級の設問で0点を取ってしまった…」という経験は決して珍しいものではありません。
簿記3級で点数が伸びない人には、いくつかの共通点があります:
- 基本概念の理解不足:借方・貸方の意味や簿記の5要素(資産・負債・純資産・費用・収益)の基本的な関係性を理解していない
- 勘定科目の暗記に頼りすぎている:単に勘定科目を暗記するだけで、取引の本質を考えられていない
- 問題演習量の不足:知識を得ても実際の問題を解く練習が不十分
- 間違った勉強法:ただ教材を読むだけで、自分で考えたり書いたりする時間が少ない
- 勉強の継続性の欠如:挫折しやすく、問題につまずくと投げ出してしまう
これらの傾向に心当たりがあるなら、それは改善の余地があるということです。
次のセクションでは、これらの課題を一つずつ解決していく方法をご紹介します。
0点からの脱出法:基礎の理解から始めよう
簿記で0点から脱出するためには、基礎から正しく理解し直すことが重要です。以下の順序で学習を進めましょう:
簿記の本質を理解する
簿記は単なる計算や暗記ではなく、「ビジネスの言語」です。
簿記とは、企業の経済活動を記録・計算・整理して、経営成績や財政状態を明らかにするためのシステムです。この目的を常に意識しながら学ぶことが大切です。
簿記の5要素と貸借の関係を理解する
簿記の基本は「5要素」とその関係性です:
- 資産:会社が持っている財産(現金、建物など)
- 負債:会社が返済すべき債務(借入金など)
- 純資産:資産から負債を引いたもの(資本金など)
- 費用:利益を減少させる要因(給料、家賃など)
- 収益:利益を増加させる要因(売上など)
そして、最も重要なのが借方(左側)と貸方(右側)の関係です:
【基本ルール】
資産の増加 → 借方(左)に記入
資産の減少 → 貸方(右)に記入
負債・純資産の増加 → 貸方(右)に記入
負債・純資産の減少 → 借方(左)に記入
費用の発生 → 借方(左)に記入
収益の発生 → 貸方(右)に記入
このルールを理解することが、簿記の基本中の基本です。
簿記の一巡を把握する
簿記は「取引→仕訳→転記→試算表→決算」という流れで進みます。この全体の流れを把握することで、個々の作業の位置づけが明確になります。
基本的な勘定科目を理解する
よく使われる勘定科目(現金、売掛金、買掛金、資本金など)の意味と使い方を理解しましょう。
暗記するだけでなく、各勘定科目が表す「モノ・カネの流れ」をイメージすることが大切です。
基礎的な問題演習を繰り返す
基本を理解したら、簡単な問題から解き始めましょう。間違えても良いので、とにかく自分の手を動かして問題を解くことが大切です。
仕訳のコツ:0点脱出の最短ルート
簿記3級のカギを握るのは「仕訳」です。仕訳ができるようになれば、試験で0点を取ることはまずないでしょう。以下に仕訳のコツをご紹介します:
仕訳は4ステップで考える
【仕訳の4ステップ】
① 取引を2つの増減に分ける(何が増えて、何が減ったか)
② 勘定科目に置き換える
③ 勘定科目が、資産・負債・資本・費用・収益のどれかを判断する
④ 増減のルールに従って、借方・貸方に記入する
例えば「商品10,000円を現金で購入した」という取引は:
- 商品が増えた・現金が減った
- 商品・現金という勘定科目
- 商品は資産・現金も資産
- 資産の増加は借方、資産の減少は貸方
(借方)商品 10,000
(貸方)現金 10,000
仕訳は思い出すのではなく、考え出すもの
仕訳は単に暗記するものではなく、その場で考え出すものだという意識が重要です。
問題を見て取引を把握し、何が増減したかを考え、ルールに従って仕訳を組み立てていく―このプロセスを繰り返すことで、どんな取引にも対応できるようになります。
借方・貸方の合計額が一致するか確認する
仕訳では必ず借方と貸方の合計金額が一致します。これは「貸借平均の原理」と呼ばれる簿記の基本原則です。
仕訳を書いたら、必ず両者の金額が一致しているかチェックしましょう。
典型的な取引パターンを理解する
簿記3級では、よく出る取引パターンがあります。例えば:
- 商品の仕入れと販売
- 掛取引と現金決済
- 費用の支払い
- 固定資産の購入
- 減価償却
- 貸倒引当金の設定
などです。
これらの典型的なパターンを繰り返し練習することで、自信をつけることができます。
モチベーション維持のための5つの秘訣
簿記の勉強で挫折しやすい最大の理由は、モチベーションの維持が難しいことです。0点から立ち直るための5つの秘訣をご紹介します。
小さな目標を設定する
「簿記3級に合格する」という大きな目標だけでなく、「今日は商品売買の仕訳を5問解く」など、小さな目標を設定しましょう。
小さな成功体験の積み重ねがモチベーションにつながります。
学習環境を変えてみる
家以外の場所で勉強をしてみましょう。カフェや図書館など、環境を変えるだけでも気分転換になり、集中力が増すことがあります。
仲間を見つける
オンラインやオフラインで簿記の勉強仲間を見つけることも効果的です。
SNSで同じ目標を持つ人と進捗を共有したり、質問し合ったりすることで、モチベーションを維持できます。
自分へのご褒美を用意する
「1週間毎日勉強したら、好きな映画を見る」など、自分へのご褒美を設定しましょう。
華やかとは言えない簿記の勉強ですが、自分を労う気持ちが継続のコツです。
わからないことはすぐに質問する
わからない点をそのままにしておくと、モチベーションが低下します。YouTube、質問サイト、SNSなどを活用して、わからないことはすぐに解決しましょう。
再挑戦のための具体的学習プラン
0点から合格を目指すための、具体的な学習プランをご紹介します。
【1カ月目】基礎の再構築期間
目標: 簿記の基本概念を理解し、基本的な仕訳ができるようになる
Week 1-2:基礎理解
- 1日目~5日目:簿記の5要素と借方・貸方のルールを理解
- 6日目~10日目:基本的な勘定科目の意味と使い方を理解
- 11日目~14日目:簡単な取引の仕訳練習(毎日10問)
Week 3-4:問題演習の開始
- 15日目~21日目:基本的な仕訳問題を解く(毎日15問)
- 22日目~28日目:簡単な試算表の作成練習
学習時間: 1日2時間 × 28日 = 56時間
【2カ月目】応用力養成期間
目標: 全範囲をカバーし、過去問で70%以上の得点を目指す
Week 5-6:応用範囲の学習
- 29日目~35日目:商品売買、掛取引、手形取引の学習と問題演習
- 36日目~42日目:減価償却、貸倒引当金などの決算整理事項の学習
Week 7-8:過去問演習と弱点補強
- 43日目~49日目:過去2回分の問題を解き、弱点を把握して集中的に対策
- 50日目~56日目:もう1回過去問を解き、時間配分の練習
学習時間: 1日2時間 × 28日 = 56時間
【試験直前】仕上げ期間(2週間)
目標: 実践力を高め、自信をつける
Week 9-10:総仕上げ
- 57日目~63日目:苦手分野を中心に問題演習
- 64日目~70日目:模擬試験形式で総合的な練習
学習時間: 1日2時間 × 14日 = 28時間
総学習時間: 約140時間
このプランは一例です。
自分のペースや状況に合わせて調整してください。重要なのは「継続すること」と「基礎から積み上げること」です。
おすすめの教材については、こちらの記事をご覧ください。
まとめ:0点から合格への道
簿記3級で0点を取ってしまったとしても、決して諦める必要はありません。むしろ、それは「正しい勉強法に出会っていない」というサインかもしれません。
この記事でご紹介した内容をまとめると:
- 基礎から理解し直す: 簿記の5要素と借方・貸方の関係を理解することが出発点
- 仕訳の考え方を身につける: 暗記ではなく、取引を分析して仕訳を「考え出す」力を養う
- 継続できる環境を作る: 小さな目標設定、学習環境の工夫、仲間づくりなどでモチベーションを維持
- 段階的に学習を進める: 基礎→応用→総仕上げという段階を踏んで着実に力をつける
- 自分に合った学習リソースを見つける: 教科書、問題集、オンライン講座など、自分に合ったものを活用する
簿記3級の合格率は約40〜50%。
これは裏を返せば、しっかり勉強すれば十分合格できる確率だということです。「0点」という結果は、あなたの能力ではなく、これまでの勉強方法に問題があっただけです。諦めてはいけません!
最後に、簿記学習で大切なのは「理解すること」と「継続すること」です。暗記に頼らず、取引の本質を理解し、毎日少しずつでも継続して学ぶことで、必ず力はつきます。
0点からの再起を期して、ぜひもう一度チャレンジしてみてください。応援しています!
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