2020年12月から、簿記3級と2級のネット試験(CBT方式)が導入され、受験方式が大幅に変わりました。
この新しい形式では、受験者はパソコンを用いて問題に回答し、ネット上で合否の判定が行われます。毎回の試験が随時行えて、自分のスケジュールに合わせて受験しやすくなりました。
本記事では簿記3級のネット試験にパソコンやスキルが必要なのか、という疑問について解説します。
ネット試験の概要
簿記3級のネット試験はCBT(Computer-Based Testing)形式で実施され、全国にある特定の試験会場で随時受験が可能です。この形式により、受験者は自分の都合に合わせて、希望する日時に試験を受けることができます。試験会場は全国に140以上あり、事前予約が必要です。
試験の範囲や難易度は従来の紙試験と同様であり、出題される問題も同じ内容です。ただし、解答方法が異なります。CBT形式では、問題がパソコンの画面に表示され、受験者はキーボードやマウスを使用して解答します。
試験が終了すると、システムによって自動的に採点が行われ、受験者の合否が即時に判定されます。
結果はスコアレポートとして提供され、合格者にはデジタル合格証が発行されます。スコアレポートには合格者のみが取得できる二次元コードが記載されており、これを用いて合格証をスマートフォンにダウンロードすることができます。
項目 | 紙の試験(統一試験) | ネット試験 |
---|---|---|
試験方法 | 鉛筆・電卓を使用して解答 | パソコンを使用して解答、電卓と計算用紙は使用可 |
試験日程 | 年3回(6月、11月、2月) | 随時受験可能(試験センターが指定する日時) |
受験環境 | 指定された試験会場で実施 | 指定された試験センターで実施 |
合格発表 | 試験終了後、2週間から3週間後に発表 | 試験終了後、即時合否が表示される |
合格証書 | 紙の合格証書が発行される | デジタル合格証はPDF形式 |
出題形式 | 問題用紙と解答用紙が別々に提供 | パソコン上に問題も解答も表示 |
問題の持ち帰り | 全て回収され持ち帰れない | 問題を持ち帰ることはできない |
試験時間 | 2級90分、3級60分 | 2級90分、3級60分 |
提出期限 | 試験終了後、すぐに受験答案を提出 | 試験終了後、システムが自動で採点する |
メモ取り | 解答用紙に直接メモができる | 画面上でメモを取れず、計算用紙で算出する必要がある |
合格率 | 各試験によって異なる | ネット試験の場合、合格率が若干高い傾向にある |
簿記3級試験にパソコン・スキルは必要か?
簿記3級のネット試験では、受験者が個別にパソコンを持ち込む必要はありません。試験会場に設置された機材を使用して受験が行われます。
また、簿記3級のネット試験を受験するには、特別なパソコンスキルは必要ありません。
受験者は基本的にキーボードによる文字や数字の入力と、マウス操作ができれば問題なく試験に参加できます。また、試験の運営側ではサポートも行われているため、何か操作について不安がある場合には、試験委員に相談することが可能です。
受験時の主な操作方法は、キーボードへの文字入力とマウスでの操作に限られています。複雑な操作を覚える必要はありません。
ただし、具体的な操作の注意事項として、数値は必ず半角で入力し、カンマを使用しないことが求められています。これらの小さなルールを把握することで、スムーズに試験を進行することができるでしょう。
また、今後の経理業務のことを考えると、ExcelやWordの基本操作に慣れておくことは非常に有益です。Excelを使用して表を作成し、データ分析を行ったり、Wordで文書を整える能力は、経理業務でも役立ちます。このような基礎的なITスキルを磨くことで、試験だけでなく、今後の職業生活にも役立つでしょう。

受験当日の要点
簿記3級の試験に臨む際は、電卓を持参しましょう。四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)と百分率計算ができる、シンプルな電卓で十分です。プログラム機能付きのものや関数電卓は使用できません。

また、身分証明書は受験者本人であることを確認するために必須であり、運転免許証や学生証などが利用できます。
試験会場では、筆記用具や計算用紙の貸出が行われており、受験者はこれらを持参しなくても大丈夫ですが、自分のものを持ち込むことも可能です。
試験当日には、開始の15〜30分前には会場に到着することが重要です。これにより、心の余裕を持って事前に準備を整えることができ、試験開始直前のバタバタを避けられます。また、会場での手続きや身分証明書の確認をスムーズに行うためにも、時間に余裕を持って行動することが合格の鍵となります。
統一試験との違い
ネット試験の最大の魅力は、その受験の自由度です。受験者は、全国のテストセンターから自分の都合の良い日時を選んで受験できます。これは、特に忙しい社会人や学生にとって大きなメリットです。また、受験日や会場を選ぶ際には、自分に最も快適な環境を確保できるため、試験に集中しやすくなります。これは、従来のペーパー試験にはない利点です。
従来のペーパー試験は年にわずか3回の実施しかなく、受験日を絞られてしまうことが多いですが、ネット試験はそれに比べて圧倒的に柔軟です。受験者は、自身の学習進度や生活スタイルに応じた受験計画を立てやすく、これにより学習効率も向上します。このような選択肢の多さは、特に新しい受験スタイルに対して不安を抱く人々にとって大きな支援となるでしょう。
ネット試験のもう一つの利点は、即時採点が行われる点です。受験者は試験終了後すぐに結果を確認することができ、合格の喜びを早く味わうことができます。また、合格発表の待機時間が短縮されることで、次のステップ(例えば、簿記2級試験など)にスムーズに進むことが可能です。
まとめ
本記事では、簿記3級のCBT試験のパソコンやその関連スキルの必要性について解説しました。
本記事が皆さんのお役に立てば幸いです。
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