電子書籍や動画、アプリなどを利用してタブレットで資格勉強をすると、通勤中など様々な場所でスキマ時間を使って勉強ができるため、とても便利です。重いテキストを持ち運ばなくていい、というのも大きなメリットです。
本記事では、特にタブレットで勉強するのにおすすめのビジネス系資格をご紹介します。
簿記3級
簿記3級試験は日本商工会議所が実施する試験です。主に財務諸表の読み方や、基本的な会計処理が問われます。特に、小規模なビジネスから大企業まで広く適用される商業簿記の基本から、製造業などで必要とされる工業簿記の初歩までをカバーしています。
簿記3級は、ビジネスの現場で必要とされる会計の基本を理解するためのスタートラインとして最適です。
この資格は広く認知されているため、経理職を目指す方だけでなく、幅広いビジネスパーソンにとっても有益です。
簿記3級を取るメリットとデメリット
簿記3級資格を取得するメリットは、会計の基本的な知識が身につくことです。経理職への就職や転職はもちろんのこと、自身が起業する際にも役立ちます。また、ビジネスの意思決定において、財務諸表を読み解く能力が求められる場面がありますので、その際も有利です。
一方、デメリットとしては、専門家として働くには簿記3級だけでは専門性が足りず、簿記2級、1級などのさらに上位の資格を取得する必要があることが挙げられます。とはいえ、その過程として必要な資格ですので、取って損はない資格と言えます。
簿記3級試験の合格率
簿記3級の合格率は、毎回の試験内容や受験者のレベルによって変動しますが、一般的には約30%から40%の間で推移しています。合格率が比較的低めである背景には、会計基準や処理方法の理解が不十分な受験者が多いことが考えられます。
日商簿記3級試験の直近5年間の合格率について、以下にまとめます。
統一試験(試験会場で実施される従来型の試験)の過去5回分の合格率は以下の通りです:
回 | 日程 | 合格率 |
---|---|---|
167回 | 2024年6月9日 | 40.7% |
166回 | 2024年2月25日 | 36.3% |
165回 | 2023年11月19日 | 33.6% |
164回 | 2023年6月11日 | 34.0% |
163回 | 2023年2月26日 | 36.5% |
これらの結果から、統一試験の平均合格率は約36%となっています。合格率は30%から40%台の間で推移しており、回によって多少の変動があることがわかります。
2020年12月以降、コロナ禍の影響でネット試験も実施されるようになりました。ネット試験の合格率は以下の通りです
受験期間 | 合格率 |
---|---|
2023年4月~2024年3月 | 37.1% |
2022年4月~2023年3月 | 41.2% |
2021年4月~2022年3月 | 41.0% |
2020年12月~2021年3月 | 41.0% |
ネット試験の合格率は、統一試験と比べてやや高めの傾向にあります。
直近5年間の日商簿記3級試験の合格率は、統一試験とネット試験を合わせておおよそ35%から40%の間で推移しています。
簿記3級試験の合格に必要な勉強時間
簿記3級は、約70時間の学習時間で取得可能とされており、毎日2時間程度の学習を1ヶ月続けることで合格を目指すことができる資格です。計画的に学習を進めることが合格への鍵となります。
簿記3級の受験資格
簿記3級の試験に特別な受験資格は求められません。学歴や年齢、職業を問わず、会計に興味があるすべての人が受験することができます。これにより、多くのビジネスパーソンにとって手軽に挑戦できる資格といえるでしょう。
ファイナンシャルプランナー3級(FP3級)
ファイナンシャルプランナー3級(FP3級)は、金融や保険、不動産、税金など、個人の資産管理や家計に関する幅広い知識を身につけることができる国家資格です。個人や家庭が抱える金融に関する課題を解決するための能力が身につきます。
この資格の特長として、金融機関等で就職できること以外に、個人的なお金の知識が得られることが挙げられます。資産運用、老後資金、教育資金、家計管理など、お金のことに関する基本的なことを網羅的に学習することができるのが本資格の特長です。
実際に、私の周囲にも、金融関連以外の職業につきながら、FP3級を取得して自身の資産管理・運用に役立てている方がいます。お金の知識は学校で学べることが少ないので、このような資格を通して勉強することで、お金で損するリスクを抑制することができます。
FP3級を取るメリットとデメリット
FP3級を取得する最大のメリットは、金融知識の向上による個人の資産運用能力の強化です。
また、就職や転職において、金融業界で働きたいと考えている人にとっては、資格が持つ専門性が強みになり得ます。FP3級だけで金融業界での専門性を証明することは難しいですが、上位資格を得ることでその専門性を証明することができます。
一方で、デメリットとしては、資格を取得しても直接的な収入増加につながるわけではないこと、学習には時間と費用がかかることが挙げられます。しかし、長期的な視点で見れば、資格取得による知識や技能は個人の資産形成に大きく貢献するでしょう。
FP3級試験の合格率
FP3級試験の直近の合格率は以下の通りです。
実施年月 | 試験種別 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
2024年1月 | 学科 | 39,370 | 32,732 | 83.14% |
2024年1月 | 実技 | 38,530 | 33,351 | 86.56% |
2023年9月 | 学科 | 36,368 | 30,801 | 84.69% |
2023年9月 | 実技 | 37,414 | 30,119 | 80.50% |
2023年5月 | 学科 | 36,378 | 30,284 | 83.25% |
2023年5月 | 実技 | 36,691 | 28,122 | 76.65% |
FP3級試験の合格率は年度や受験者のレベルによって変動しますが、一般的には80%程度です。しっかりとした対策を行えば、十分合格可能な範囲です。
FP3級試験の合格に必要な勉強時間
FP3級試験の合格に必要な勉強時間は、個人の基礎知識や学習能力によって大きく異なりますが、一般に100時間から150時間の学習が推奨されています。
FP3級試験の受験資格
FP3級試験には特に受験資格が設けられていません。そのため、金融業界で働きたい学生や転職を考えている社会人、さらには日々の生活で役立つ知識を身につけたい主婦(夫)など、幅広い層の人々が受験することができます。
宅地建物取引士(宅建)
宅地建物取引士は、不動産取引の際に不可欠とされる専門家です。宅建士とも略され、不動産の売買や賃貸借などの取引を公正かつ適切に行うために、不動産取引に関する法律知識が求められます。
この資格を持つことで、不動産取引に関わる法律的な知識を有し、安心して不動産取引が行えるようになります。不動産業界においては、その専門性から高いニーズがあります。
具体的には、不動産取引をする際の契約書の作成支援や法律上のアドバイス提供、重要事項の説明、取引の進行管理などを行います。
この資格は国土交通大臣の登録を受けることで正式に名乗ることができ、宅建士の証明書が交付されます。
宅地建物取引士を取るメリットとデメリット
宅地建物取引士の資格を取得する最大のメリットは、不動産業界での専門職としての地位が確立されることです。具体的には、高い専門知識が評価され、不動産会社等での就職や昇進に有利に働きます。また、自分で不動産会社を起業する際にも、この資格は必要不可欠です。
一方、デメリットとしては、資格取得に向けた学習に多大な時間と労力が必要という点が挙げられます。また、取得後も継続的な法改正に対応するための学習が求められるため、継続的な努力が必要です。
宅地建物取引士試験の合格率
宅地建物取引士試験の直近の合格率は以下の通りです。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2024 | 241,436 | 44,992 | 18.6% |
2023 | 233,276 | 40,025 | 17.2% |
2022 | 226,048 | 38,525 | 17.0% |
宅地建物取引士試験の合格率は、年によって変動がありますが、大体15~20%程度の範囲内で推移しています。試験が非常に厳しく、高い法律知識と実務知識が要求されます。受験者の中には、何年も勉強を続け、何度も挑戦してようやく合格する人も少なくありません。それだけ、取得に価値がある資格といえます。
宅地建物取引士試験の合格に必要な勉強時間
宅地建物取引士試験の合格に必要な勉強時間は個人差がありますが、一般的には300時間から600時間程度が目安とされています。この時間はあくまで平均的な目安であり、法律知識が既にある程度ある人はそれ以下で済む場合もあれば、ゼロからスタートする場合はさらに多くの時間を要することもあります。
宅地建物取引士試験の受験資格
宅地建物取引士試験の受験資格は特に設けられておらず、誰でも受験することができます。年齢、性別、学歴等に関係なく、不動産取引に関する専門知識を学びたいという意欲があれば、誰でも挑戦することが可能です。ただし、実際の不動産取引の場で宅建士として活動するには、資格取得後に都道府県知事の登録を受ける必要があります。このため、資格試験の合格だけでなく、その後の手続きも念頭に置いておくことが重要です。
不動産鑑定士
不動産鑑定士とは、不動産の価値を客観的に評価し、鑑定評価書を作成する専門家のことです。この資格は不動産取引や融資の際に不可欠なものであり、高度な専門知識と技術が求められます。不動産の適正な価値を判断する重要な役割を担っています。
不動産鑑定士の資格は、不動産の価格や価値を決定するために必要な幅広い知識と技術を証明するものです。財産評価、法律、経済学、建築学など、多岐にわたる分野の知識が求められます。不動産の価値を正しく評価することで、取引の公平性を保つとともに、資産運用の効率化にも寄与するため、高い専門性が要求される職業です。
不動産鑑定士資格を取るメリットとデメリット
不動産鑑定士の資格を取得するメリットには、専門的な知識を身に付けることで不動産業界での求人の幅が広がることや、専門家としての信頼性が高まること等が挙げられます。また、自分の鑑定によって大きな取引に影響を与える重要な役割を果たすことは、大きなやりがいにもつながります。
一方で、デメリットとしては、資格取得に向けての勉強時間が非常に長く、難易度も高いことが挙げられます。さらに、資格を生かして活躍するためには、絶えず市場の動向を把握し続ける必要があり、そのための努力も必要です。
不動産鑑定士試験の合格率
不動産鑑定士試験の合格率の推移は以下のとおりです。
年度 | 短答式試験合格率 | 論文式試験合格率 | 最終合格率 |
---|---|---|---|
令和6年 (2024年) | 36.2% | 17.4% | 6.3% |
令和5年 (2023年) | 33.6% | 16.5% | 5.5% |
令和4年 (2022年) | 36.3% | 16.4% | 5.9% |
- 短答式試験の合格率は33〜36%程度で推移しています。
- 論文式試験の合格率は16〜17%程度となっています。
- 最終合格率は5〜6%台で、非常に難関な試験であることがわかります。
不動産鑑定士試験の合格に必要な勉強時間
不動産鑑定士試験の合格には、通常2,000時間以上の学習時間が必要とされています。実際には、その人の前提知識の有無によって、さらに多くの時間を必要とする可能性もあります。いずれにせよ、試験の幅広い範囲と高度な内容を克服するには、日々のコツコツとした努力が不可欠です。
不動産鑑定士試験の受験資格
不動産鑑定士試験に受験資格は必要ありません。どなたでも受験することができる、開かれた資格と言えます。
不動産鑑定士試験の詳細については、こちらの記事をどうぞ。
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